淫らな罠に・・1
「留守中 親父のこと頼むな」
連休明けの朝、出張に出掛ける信男を玄関で見送りながら少し会話をかわす。
「ええ 最近、お父様 少し元気がないから、少し心配だわ」
「そうだな おふくろに先立たれてからやっぱり寂しいんだろうな」
「まだ、加奈子と一緒に暮らすのも慣れてないだろうしな」
加奈子と信男は1年半付き合った後、つい5ヶ月前に結婚したばかりだった。
結婚して3ヶ月後のある日、信男の母が亡くなり、急遽、義父の源次郎と一緒に暮らすことになった。
「なんとか元気になってもらわないとね」
「じゃあ いってくるよ」
「いってらっしゃい 帰りは明後日ね」
「ああ 頼んだよ」
バタンっ
(ふー 初めてお義父さまと二人でいないといけないのか 大丈夫かな~)
元気があった頃の源次郎は、毎日、外に出歩いてゲートボールや山登りなど70過ぎの老人とは思えないほどに精力的に活動していた。
その源次郎が、日中もあまり外に出ることはなく、部屋にこもっていることの方が多くなってしまった。
あまりの落ち込みように、信男以上に加奈子は心配していた。
(少しでも元気になってもらわなくちゃ)
加奈子は自分にそう言い聞かせると奥にある源次郎の和室へと向かった。
ガラガラっ
「義父様 お昼はいつ頃お召しになられますか?今日は義父様のお好きな魚を焼いておきますね」
机に背を向けて胡坐をかいて座っていた源次郎は、ぼうっとした顔で振り向くと
「あ ああ・・・」
と小さくうなずくだけだった。
あいかわらず元気のない源次郎の様子に加奈子は少し落胆した。
「11時過ぎにはご用意できますからね」
ガラガラっ
(やっぱり義父様は元気がないわ。私に慣れてないこともあるかも・・)
源次郎は、加奈子が部屋から離れてゆく音を聞きながら、机の下に隠したアルバムを取り出し開く。
そこには、隠し撮りされた加奈子の姿が何枚も映っていた。中には加奈子の風呂やトイレの姿もアルバムの中に収められていた。
[もうすぐじゃな 加奈子さん・・・]
源次郎の作務衣の下では、隆々といきり勃っている肉棒が波打っていた。